MEXCBTの改善に関する4件の意見書
文部科学省は、令和9年度「文部科学省CBTシステム(MEXCBT)の改善・活用推進事業」にかかる情報提供依頼(RFI)を実施しました。
合同会社 情報アクセシビリティ機構は、このRFIに対して、2026年9月28日、MEXCBTの性能、アクセシビリティ、相互運用性、インタラクションの選定について、4件の意見書を文部科学省に提出しました。
以下に、その全文を公開します。
1. MEXCBTにおける性能確保のためのアーキテクチャについて
MEXCBTでは、少なくとも全国の教科調査を一週間以内に実施できる性能を目標とすることを提案しています。
そのためのアーキテクチャとして、問題配信と解答収集を別のサービスとして構成し、それぞれを独立して拡張可能にすること、さらに解答収集サービスをステートレスにして、大規模な負荷分散や障害時の回復を容易にすることを提案しています。
2. MEXCBTにおけるアクセシビリティについて
デジタル教科書で必要とされているアクセシビリティ機能をMEXCBTでも基本機能として備え、「通常版/配慮版」という別コンテンツ方式から脱却することを提案しています。
同一の構造化された問題コンテンツに対して、Personal Needs and Preferences(PNP)に基づき利用者ごとの表示・支援機能を適用すること、問題文などの文字を原則として画像化せずテキストとして保持すること、QTI 3とPNPをアクセシビリティ基盤として利用することを提案しています。
3. MEXCBTにおける相互運用性とベンダーロックインについて
現行MEXCBTでは、標準QTIには含まれない固有の表現やインタラクションが問題コンテンツに組み込まれており、公開されたQTI仕様だけでは第三者が問題をそのまま作成・解析・実行できないという問題を指摘しています。
次期MEXCBTでは、公開された標準だけに基づいて第三者が問題作成、問題管理、CBT実行の各システムを独立に実装できることを要件とし、異なる事業者の実装間で実際に問題を交換・実行できることを確認することを提案しています。
4. MEXCBTにおけるインタラクションの選定について
QTIで利用可能なインタラクションを網羅的に実装するのではなく、MEXCBTで使用するインタラクションを明示的に制限することを提案しています。
初期段階では、QTI 3 Basic認証レベルで必須とされる choiceInteraction、textEntryInteraction、extendedTextInteraction の三種類を基本とし、それ以外は、基本的な回答形式では適切に測定できない対象を測定するために必要であり、その便益が測定上・アクセシビリティ上の不利益や、実装・検証・相互運用性・保守のコストを上回る場合に限って追加することを提案しています。
4件の意見書について
これら4件は、それぞれ独立した論点を扱うと同時に、相互に関連しています。
全国規模のCBTを安定して実施できる性能を確保すること、すべての児童生徒が利用できるアクセシビリティを備えること、QTIによって異なるシステムや事業者の間の相互運用性を成立させること、そして測定上の必要性が明確なインタラクションに絞ってシステムの複雑化を抑えることは、いずれも次期MEXCBTの基盤設計に関わる問題です。
情報アクセシビリティ機構は、これらを個別の機能追加ではなく、次期MEXCBTのアーキテクチャ全体に関わる課題として提案しました。